マイマイ新子と千年の魔法

ネット上で話題になってた『マイマイ新子と千年の魔法』を観て来た。
これは観て良かったなーと心の底から思える映画であった。

舞台は麦畑が広がっている昭和の山口県防府市
主人公は2人、おじいちゃんに教えてもらった千年前のこの町を想像しながら日々楽しく過ごしてる活発な小3の新子と、東京から転校してきた同じく小3の貴伊子。
初めは周りにうまく馴染めなかった貴伊子であったけど、新子とどんどん仲良くなっていく。
そして池で見つけた金魚をきっかけに、他の皆とも仲良くなっていく。

てのが主なあらすじ。

この映画は、徹底した子供視点で描かれてる。
やから、主人公たちは空想したり走ったり、飛んだり跳ねたり、全ての行動を本気で楽しんで、観客も同じ楽しみを体験する。
子供の頃の何でも楽しめたあの感じを、映画を通じて思い出せるのね。
かと言って、「昔は良かった」みたいなノスタルジーを描いてるわけじゃない。
昭和の日常を丁寧に切り取った、ただそれだけなのだ。

終盤、新子がタツヨシに「明日も明後日も遊ぼうやー!」(みたいなセリフやったと思う)と言うシーン、このシーンで猛烈に感動してしまった。
辛いことがあったタツヨシにかけた新子のセリフであるけど、なんて前向きなセリフなんやろうと思った。
子供たちは、自分たちが子供であることをわかってる。
やからこそ、辛いことがあっても前向きに日常を楽しまないといけないし、子供である自分たちにはそれが簡単にできるよと、そういうメッセージであると感じた。

逆に、この映画では友だちとの別れ、家族との別れ、先生との別れってのも描かれてるけども、そういうのはあっさりと描写するだけに止まってるのね。
別れって、見せ方次第で感動のシーンになるのに、それを製作者はしなかった。
それはなぜか?
たぶん、この映画のテーマ(製作者が一番見せたかった部分)が「ノスタルジックな感動」ではなくて「昭和の山口県防府市で暮らす子供の日常を丁寧に描写する」やったんやないかなと。
その結果、この映画は押し付けがましい感動ではなく、心の底から自然とわいてくる感動を与えてくれるんやと思う。

この映画は色んな人に観てもらいたいなー。
でも、続映がピンチらしい。

たまごまごごはん 「マイマイ新子の続映がピンチです!」

できることなら、観れるうちに観て欲しい。
大きいスクリーンで防府大自然と感動を体感するべきやと思う。

マイマイ新子と千年の魔法」90秒プロモーション映像