この漫画がすごかった2008

2008年に出た漫画から個人的におもしろかったと思うのを10作品ほど。

とよ田みのる 『FLIP-FLAP

ベストはコレ。 ピンボールというマイナーなゲームに熱中する青年の青春を描いた傑作。 華があるとは言い難いピンボールをとてもエキサイティングに描き、一度もピンボールをやったことがなくてビシビシ伝わってくるあの楽しさ。 心が震える。 ラブコメもあり。

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)


鶴田謙二/梶尾真治 『おもいでエマノン

次点。 有名SFシリーズを鶴田謙二が漫画化(原作読んだことはない)。 鶴田謙二の描く、タバコとそばかすの似合う神秘的な少女エマノンがとても魅力的でさすがというところ。 ノスタルジックな空気がたまらない。

おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)

おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)


福満しげゆき 『僕の小規模な生活』〜2巻

漫画家の、自分の仕事に関するエッセイ漫画。 漫画家の生活が垣間見えてたいへん興味深い。 強気で弱気でたまに鬱々とする作者本人に妙な味があるし、作者の妻の言動がとても可愛い。 何か読んでたらクセになる。

僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)


Boichi 『Boichi作品集 HOTEL

地球から生命が消えた世界の『HOTEL』の管理人を描いた表題作『HOTEL』や、マグロのために一生をささげた1人の男を描いた『すべてはマグロのためだった』など、圧倒的画力で描かれるSF短編集。 表題作『HOTEL』は読むべき。素晴らしい出来。

Boichi 作品集 HOTEL (モーニング KC)

Boichi 作品集 HOTEL (モーニング KC)


さそうあきら 『マエストロ』全3巻

『神童』のさそうあきらが描くオーケストラ漫画。 なんと言ってもクライマックスの演奏シーンの迫力がすごい。 音がない漫画という媒体で確かに音を描いている作者はさすが。 『神童』と十分張り合える音楽漫画やと思う。

マエストロ 3 (3) (アクションコミックス)

マエストロ 3 (3) (アクションコミックス)


こうの史代 『この世界の片隅に』〜中巻

戦時中、広島の呉に嫁いだ女性のほのぼのとした日常。 貧乏だけれど幸せな家庭が優しく描かれ、その一方では戦争の暗い影も近づいてくる。 ハッピーエンドにはならないかも知れないけれど、この世界の片隅の物語を最後まで見届けたい。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)


鹿島麻耶 『学園夢探偵獏』

毎晩、義理の母を殺すという悪夢を見てしまう男子高校生と、夢に潜って夢からのメッセージを読み解くことができる陸前先輩が出会い、悪夢を見る理由を導き出す。 前作の漫才漫画『リンガフランカ』で描かれた漫才みたいなかけ合いは健在でテンポがよくて、とりあえず何よりもミステリアスな陸前先輩がエロい。それに限る。

学園夢探偵獏 (アフタヌーンKC)

学園夢探偵獏 (アフタヌーンKC)


長尾謙一郎 『ギャラクシー銀座』〜3巻

そんじょそこらのギャグ漫画とはワケが違う。 ドラッギーでトランスな作風でギャグ漫画の領域を押し広げる。

ギャラクシー銀座 1 (ビッグコミックススペシャル)

ギャラクシー銀座 1 (ビッグコミックススペシャル)



黒田硫黄『大金星』

黒田硫黄、久しぶりの短編集。 どのキャラクターにも人間臭い愛嬌があって、さすがの黒田節。 ダイナミックな作風は一読の価値あり。

大金星 (アフタヌーンKC)

大金星 (アフタヌーンKC)


芦奈野ひとしカブのイサキ』1巻

前作『ヨコハマ買い出し紀行』で活躍した乗り物は原付で、今作活躍するのはプロペラ飛行機。 世界の土地が10倍に拡がった世界でのほのぼのとした日常。 ノスタルジックな雰囲気が心地いいSF作品。

カブのイサキ(1) (アフタヌーンKC)

カブのイサキ(1) (アフタヌーンKC)


以上でございます。
今月は、なんとガラスの仮面の新刊が出るのだぜ。