めくるめくサイケロックの世界
サイケデリック・ロックについて。
先日、絶版になっているレコード・コレクターズ2002年7月号『サイケデリックの狂乱』を手に入れた。
これはサイケ特集として100ページくらいの特集が組まれてて、サイケについてのコラムやサイケのディスクレビューが主な内容。
サイケデリックという言葉は57年、ドラッグをアルコール依存症治療実験に用いていたイギリス人精神分析医によって最初に公に使われ、精神(サイコ)をデリック(拡張)するモノや現象を包括的に指すという意図があると書かれている。
その頃のアメリカでは文化人や芸能人、科学者の間で密かにLSDが流布されていたらしく、50年〜60年の間に巷に広まっていったとか。
サイケデリックという概念は50年代には既に誕生していたわけで、60年代後半の、サイケデリックロックと深い関わりのあるヒッピームーヴメントとは10年近くの開きがある。
今まではヒッピームーヴメントがサイケデリックの走りと思っていたけど、10年近く前からサイケデリックの種は蒔かれ、根付いていたんだなぁと。
その種がヒッピームーヴメントで花開いたというのが正しい認識なのかも。
個人的には、The Beatlesがペパー軍曹を発表して、Loveも『Forever Changes』を発表、Velvet UndergroundにThe Doors、Syd Barrett率いるPink FloydやJimi Hendrix、Gratteful Deadなどが続々とデビューした1967年こそサイケデリックが花開いた年だと思ってる。
海外と比べて、日本のサイケは特殊かなぁ。
日本のサイケ黎明期(グループサウンズやフォークソング)のことはほとんど知らないから詳しいことは言えないけれど、日本のサイケの道を示したのはジャックスや裸のラリーズなんじゃないだろうか。
あ、村八分もそれに当たるのかな。
日本のサイケって、海外みたいな『ドラッグのような精神の拡張』じゃなくて、もっとアンダーグラウンド的な、実験めいたものを感じる。
これについては、考えがまとまらないから割愛。
レココレの話に戻って。
サイケのディスクレビューはマイナーなサイケアルバムをたくさん取り上げてて、サイケのディスクガイドとして十分使える。
この本が日本で唯一のサイケのディスクガイドと言われてるみたいやし。
この本が発売当時に廃盤やったCDも、今は復刻してるかもしれないのでちょくちょく利用していくつもり。
でも、ホントにマイナーなのでamazonやHMVの検索に引っ掛からないのが多々。
サイケの道はまだまだ長いし険しいなー。
ゴールがないから楽しいってのもあるけど。
最後に、60年代後半のサイケデリックムーヴメントの走りと思われる曲をいくつか。
The Byrds / Eight Miles High (1966)
The Beatles / Tomorrow Never Knows (1966)
13th Floor Elevators / Your Gonna Miss Me (1966)
ジャックス / マリアンヌ (1968)